コラム

便利さを享受する

2018-09-26掲載

 現代社会は、生活を豊かにしてくれる便利なもので溢れています。皆様も経験上、モノやサービスを新しく使ってみて、これは便利だと感じた機会が少なからずあることと思います。それから、昔はあれほど便利だと感じていたものなのに、今では全く使わなくなった、そんな体験もまた数多くあるかと思います。

 なぜこのように、便利なものは尽きることなく生み出され、その一方で、時間の経過とともに便利だと思う気持ちが薄れていくのでしょうか。

 便利なものというのは、便利だからこそ生活の営みに組み込まれていくことになり、利用されることで徐々に市民権を得ていくものです。時間の経過とともに、その利用者数は増えていくのですが、日常生活への浸透が進むほど、新鮮味は薄れ、当たり前のものとして捉えられるようになります。そのようなサイクルが幾度となく積み重なると、日常生活の過ごし方が少しずつ変わり、きっと、人々の生活スタイルや物事の考え方にも変化が生じることでしょう。大きなレベルでの変化は、さらに新しい便利さを生みだす刺激となりそうです。

 この、新しい生活スタイルや物事の考え方が形成されてさらに新しいアイデアが創出されていくスパイラル構造こそが、便利さを積極的に享受しようとする現代社会の縮図なのだ、と私は考えます。

 ここで、少し視点を変えて、便利さとはどういうことを指す言葉なのか、あらためて考えてみるために、5W2Hの視点で分解してみたいと思います。

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 5W2H形式で分解した1つ1つの要素を1文にまとめると、便利さとは、「手間のかかることを自分の代わりに、いつでもどこでも、自動で・自律型で、お手頃価格で楽に済ますこと」となります。これは、モノやサービスに対する便利さの評価尺度ともいえそうです。この表現にあてはまる要素が多ければ多いほど、度合いが強ければ強いほど、範囲が広ければ広いほど、そのモノやサービスに対する総合満足度が高くなりやすく、多くの人にお気に入り認定されやすい、と考えられます。

 もっとも、これは便利だ、と感じる度合いには個人差があるわけでして、たとえば、スマホとタブレットを比較したときに、画面が大きいタブレットのほうが使いやすいと思う人もいれば、スマホのほうが小型で軽量、持ち運びしやすいので使いやすいと感じる人もいます。また、スマホにもタブレットにも便利さを感じない人もいます。これはなぜなのでしょうか。考えられる理由としては、年齢層・性別・家族構成などによるニーズの違い、嗜好の多様化・細目化などが挙げられます。たとえば、SNSコミュニケーションを多用する若者世代では、出先でもすぐに取り出しやすいスマホが好まれるでしょう。そしてiPhoneやAndroid搭載機が日本で発売されてから10年経過していますので、最近では中高年世代にもスマホの普及率も高まっています。また、子供がいる家庭では、親子での共有がしやすいタブレットが好まれる傾向があるかもしれません。もちろん、そのような考えが本当に当てはまるのか、統計情報をもとに傾向を分析し、裏付けをとることは重要です。実際に、通信事業者は、セグメント別に勧めるサービスや製品を変えて対応しているようです。

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 便利なモノやサービスを提供する側が、現状に満足せず、品質や使い勝手改良のための努力を積極的・継続的に行なってくれることは、私たち利用者にとってこの上ない話です。
 例えば、Googleのサービスの多くは、個人利用向けの場合、基本的に無料で利用可能です。Googleのサービスのラインナップは日に日に増えていますし、各サービスの機能拡張やユーザーインターフェイスの刷新は、何度も行なわれています。このような、Googleのアグレッシブな企業努力があるからこそ、あることが当たり前なんて思うことなく、サービスの内容に便利さを感じる個人利用者や法人利用者が世界中で増え続けているのだと思います。Googleのような、変化をいとわない企業が今後も増えていき、私たちの社会にたくさんの便利さをもたらしてくれることを、私はとても期待しています。