コラム

「ノリ」の変化を見抜こう!

時代を支配している空気や風潮「ノリ」が、急に変化して驚かれたことはないでしょうか?

2016-08-02掲載

 時代を支配している空気や風潮、いわゆる「ノリ」ですが、これが急に変化して驚かれたことはないでしょうか?身近な例で言いますと、最近友人が次々結婚して遊びの話をしても反応が冷ややかになった、などです。つまり、それまで当然に受け入れられ、共感し合えた意見や考えが、ある時を境に急に通らなくなって、むしろ反対されたり、周囲から引かれたりしてショックを受ける、そんな場面に遭遇したことはないでしょうか?

 この「ノリ」、が急に変化し得るということを、私が最初に実感したのは、大学3年の時(1994年)でした。この年以降、先輩達の就職は格段に不調になり、新聞紙上にも「バブル崩壊」という言葉が常駐するようになりました。また面接で受けのいい人物像も「与えられた仕事は何でもやります」と言える使い勝手のいい体育会人材から、「自分の専門を活かして事業に貢献したい」など、得意分野をはっきりアピールできる専門性の高い人材へと、変わっていきました。

 このような「ノリ」の変化に、学生時代の私は全く対応できませんでした。どころか、そのような変化が起こり得ることすら想像できていませんでした。仲間達と浸っていた当時の「ノリ」は未来永劫続くものだと思っていました。その当然の結果として、新卒時代の就職活動は自分が満足いくものにはなりませんでした。

 私自身の就職活動から18年が経過しました。あの時、私が予想すらできていなかった「ノリ」の変化は、今、私の棲息する知的財産(知財)の業界にも迫ってきています。

 企業の業績が低迷する中で、特許は「とりあえず取っておくモノ」から「活用できないなら、いらないモノ」に変わりつつあります。またそれに合わせて企業の特許出願件数は大幅に絞り込まれてきています。「とりあえず取っておくモノ」との「ノリ」がこの先も続くと考えていた企業の知財担当者は、かつての学生のように、上記の出願件数削減にうまく対応できず、自身の仕事が減少し、苦しんでいるように見えます。

 知財業界の「ノリ」も変化し得る、学生時代と異なり、このことだけは理解していた私は、「とりあえず取っておくモノ」を扱う知財担当者からの脱却を目指して、特許の活用がより盛んな標準必須特許※の世界に足を踏み入れました。その後、数年を経て、当社に入社しました。

 わずかな期間ながら経験した標準必須特許の活用、この時の経験を活かして、当社の扱う特許を「活用できるからいるモノ」に変えていく、「ノリ」の変化に今度こそ、うまく対応していきたいと思っています。

 

※標準必須特許:技術標準(規格)に規定される技術に係る特許であり、当該技術標準に準拠した製品は当該特許に必ず抵触する。そのため一般の特許より、権利の活用が盛んと言われている。